
ここ数年あまり興味のあるテーマでなかったので行っていなかった、「ラ・フォル・ジュルネびわ湖」に久しぶりに行ってきました。交通関係の話はほとんどありませんので、ご興味のない方は次回の記事をお待ち下さい。
今年のシャトルバスは……近江でした。

京阪、入札取れなかったか???
↓次のうち、ヘンデルはどれでしょう?


……どれも違うと思う………(失笑)
以下特に印象的だった曲目・公演について
●J.S.バッハ 管弦楽組曲第2番ロ短調 BWV1067 (日本センチュリー交響楽団)
と書いても何のことやら分からない方が多いと思うのですが、この中の「ポロネーズ」は、単に「バッハのポロネーズ」と言えばこの曲を指すというくらい有名な曲で、聴いたら、何だあの曲のことか、と思うような曲です↓
ただ、そこに至るまでが結構長くて、特に序曲が長くて暗い(だいたいふつう9分くらいかかる)ので、正直あまり得意ではありませんでしたが、改めて久しぶりに聴くと、いい曲だな、と思います。
実質「フルート協奏曲」のようなものなので、約20-25分の演奏中ずっと主役のフルートは休む間もありません。
か細い音の楽器なのに、1人だけで遥かに大人数のバイオリンや、ドスの利いた重低音を響かせ続けるコントラバスその他に立ち向かわないといけないので、十分な体力と気力がないと演奏し通せないと思います。
全てを従えているのが、実は細身のか弱い若い女性だった(今回の演奏者は男性でしたが)、という事実に気付かされたような意外性が新鮮でした。こういうのは、CDだけで聴いていてもなかなか意識できない部分です。
●J.S.バッハ 主よ、人の望みの喜びよ (ヘス編) BWV147 (アンヌ・ケフェレック)
2011年12月23日付拙稿ピアノの演奏と車の運転は似ている?で、怖いもの知らずな好き勝手なことを書いておりますが、ケフェレックの演奏によるこの曲は、私は初めてではないかと思います。
本人の演奏動画がありました↓
素晴らしい!ショパンやリストの難曲をやすやす弾きこなすひとは結構いるのですが、この曲を弾けるひとはなかなかいないので、聴きたいと思ってもなかなかいい演奏に巡り合えないのです。
日本では管弦楽の演奏か、ピアノの演奏の方が有名ですが、本当は「心と口と行いをもって」という大規模な合唱曲です。
1723年に祝日を祝うために作曲されたと言われています。合唱は合唱で「びわ湖ホール声楽アンサンブル」がキオスク(メインロビー)で演奏を披露していて、それも高らかで素敵な曲ですが、私は静かな優しい光に満たされ、幸福をかみしめるようなピアノ版が好きです。
●ヘンデル パッサカリア ト短調HWV432 (アンヌ・ケフェレック)
聴いたことのない曲でしたが、テンポが心地よく、聞き入ってしまいました。あとで楽譜を見るとそれほど難しくは見えないのですが、一部に「8分の12拍子」という、滅多に見られない非常に珍しい拍子が挟まり、「うわ!これは嫌だな…」とかなり引いてしまいました。確かに聴いている時にも、その部分はちょっと違うな、という何か浮き上がった感じはありました。でも、調べると実は4拍子の応用で、3連符が1小節に4回あると考えると分かりやすいのだそうです。
因みに、NHKの朝の連続ドラマ『マッサン』の主題歌「麦の唄」(中島みゆき)が、さりげなく8分の12拍子の稀少な作品例です。
ここまでが3日です。4日に入る前にちょっと休憩
いつもなら、缶コーヒー1本やってなかなか買わんのに、こういう時にはいいわ、いいわと「特別な日」になってしまうアホな私↓

近江牛バーガー800円、おいしいけど贅沢すぎるなあ。
で、にも拘らずまたこういうものを… ブログの話の種とか内心訳の分からん言い訳をしつつw
今巷で噂の?伸びるトルコアイス 350円↓

調子のいいトルコ人のお兄さんが、カップを渡すふりをして渡さない、というベタなパフォーマンスをしながら、「昨日も来た?」と聞くので否定すると、「じゃあ去年やな!」。何を言うか、お調子者が!こんなイケメン他にどこにおるねん、連れてきてみぃ!(…失礼致しました)
もともとアイスクリームは特別に好きなわけじゃないんですが、「アイスクリームは年齢の針を進める甘い悪魔」だとかどこかで見てますます遠ざかっていました。でも、たまに食べたら、地球上にこんなうまいものがあったのか!て思いますよね。
で、肝心の伸び具合ですが、まあ確かに伸びますね。もっとお餅みたいな食感を期待していたのですが、それほどでもないですね。そこは残念。
締めて1,150円、これから10日ほどは毎日ぶぶ漬けどすな。
●J.S.バッハ:2台のピアノのための協奏曲第1番 ハ短調 BWV1060
J.S.バッハ:3台のピアノのための協奏曲第1番 ニ短調 BWV1063他 (コンチェルト・ブダペスト他)
3台のピアノがステージに並ぶ…想像できますか?日本より遥かにクラシック音楽が普通のものとして普及している欧米でも、3台のピアノをすぐに用意できるようなホールは珍しいようで、この点、やはりびわ湖ホールの力が感じられます。
スタインウェイ2台とヤマハ1台、恐らく一番小ぶりなタイプのグランドピアノだろうと思いますが、迫力満点でした。
なお、バッハの時代にはピアノという楽器は存在しないので、これはバッハの時代にもあったチェンバロで演奏すべきだという考え方もあります。
ハンガリーでは有名なピアニストである、デジュ・ラーンキ、エディット・クルコン夫妻、そして二人の息子のフュロップ・ラーンキの3人と、同じくハンガリーの「コンチェルト・ブダペスト」による演奏。
3人の脚がよく見える位置に座っていたので、3本のペダルを巧みに駆使し、音色と響きを調整しているのがよく分かりました。ピアノのペダルというと私たちは普通、音を長く保つ「ダンパーペダル」をイメージし、それしか使わないのですが、バッハの難曲ではそれでは十分な効果が出ないのでしょう。息子20歳ですって!すごいなあ…。
ペダルを踏み過ぎるとおかしい、特にバッハは要注意とよく言われるので、私もインベンションとか、僅かなレパートリーを弾く時は一瞬もペダルを踏まないのですが、彼らも全く踏まない時がありました。ペダル踏まないと結構ピアノって地味に聞こえるので、あんな大きなホールで大丈夫かな?と思いましたが、全然おかしくありませんでした。さすがです。
最後にベストを着たおじさんが、エディット・クルコンの手招きで舞台に上がり、いったいあれは誰なんだろう?と皆思ったと思いますが、プログラム中「ドゥカイ作曲」「ドゥカイ編曲」と書かれていたその「ドゥカイ」というハンガリーの作曲家だと後で分かりました。
こちらの記事も面白かったので是非ご覧下さい↓
ラーンキ親子が奏でる3台ピアノ
●ヘンデル 「水上の音楽」 (大阪フィルハーモニー交響楽団)
もともとイギリス王ジョージ1世の舟遊び用に作曲されたと言われていますが、水辺で催された「ラ・フォル・ジュルネびわ湖」の締めくくりにふさわしい曲です。
私は、「ブーレ」や「ホーンパイプ」が好きなんですが、あっという間に終わってしまうのが残念。最後の「アレグロ・マエストーソ(デチーゾ)」は、タイトルこそ知らなくても、聴けばなんだあの曲のことか、と思うような曲です↓
https://youtu.be/664QhBOhBgc?t=2m1s
遥かに人口が多い名古屋でも大阪でも京都でもなく、大津が開催地の1つだということは重要なことでしょう。開催地をどう決めたのか、経緯まではよく分かりませんが、「びわ湖ホール」という立派な会場の存在は大きいでしょう。これがびわ湖ホールのない20年、30年前だったら果たして選ばれていたか…。
クラシックが好きな私でも、その中でも作曲家や曲のジャンルによって興味関心の濃淡があるくらいなので、全く関心がないひとにしたら、「???」なイベントなのかもしれませんが、これをお読みの方がもし大津市とその近辺の方なのでしたら、全国4か所しかない会場のうちの1つが、大津なのだということはもっと誇って、もっと関心を持っていいことではないかと思います。来年はどんなテーマか、今から楽しみです。
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