青いバス停

There have been buses for more than 90 years in Otsu City. 「専攻?」である大津営業所管内の京阪バスの歴史を主体とした交通関係の記事をはじめ、雑記を記しております。
県庁前 けんちょうまえ
所在地:※現行停留所の所在地
    (東行き)大津市京町三丁目
    (西行き)大津市京町四丁目
開設年月日:不明
付近:滋賀県庁 滋賀会館 朝日新聞大津総局 滋賀合同ビル 天孫神社 (現在ないもの)滋賀県立図書館


↓大津駅に別れを告げます。今は江若交通しか通らなくなっているアルプラザ前から県庁新館に通じる道。以前はどのバスもここを通っていた気がします。

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そもそも旧大津市内線が開通したころは、中央大通りもありませんから、ここを通るしかなかったことでしょう。

現在、京阪バスが停車しているバス停に向かう途中、新館の脇に江若交通用のポールがあります↓

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このポールはもともと近江鉄道のもので、今も近くでよく見ると、青く塗りつぶされているところに「近江鉄道」と書かれていた跡が分かります。

背後に写っている建物は1965(昭和40)年に完成した県庁別館。
もう少しで竣工式という10月1日、ここで3人が亡くなる大きな火災があったことを覚えているひとが今どれほどいることでしょう。
今となっては考えられませんが、何とこの当時の大津市消防本部(現・大津市消防局)には、4階に届くはしご車がなかったのだそうです。現在、火災での死亡原因の8割は窒息だといわれていますが、この時亡くなった3人は救助が間に合わず、飛び降りた結果なのだそうです。
さすがに大津市もまずいと思ったのか、これ以後もっと高いはしご車を何台も配備しますが、いくら昭和40年でも、この程度の高さの建物は他にもまだまだあったはずで、3人も犠牲を出してからの配備はあまりに遅いと言わざるを得ません。

当時と、窓の形など全く変わらず、建物は基本的にそのまま使われています。

そこを過ぎると、滋賀会館と、京阪バスが停車する「県庁前」バス停の待合所が見えてきます。
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旧大津市内線がどこに停車していたのかは、もはや知る由もありませんが、少なくとも1962(昭和37)年の京阪神市街地図集を見る限りは、恐らく当時から位置は変わっていないのではないかと思います。



↓現在の滋賀県庁は1939(昭和14)年に建てられた、歴史のある建物です。群馬県庁や早稲田大学大隈講堂の設計で知られる佐藤功一の設計によるものだそうです。

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味気ないビル型の庁舎の県庁も少なくない中、この庁舎は重厚で美しいと思います。…それが役所臭くて敷居が高く感じる、という方もいるかもしれませんが。

大津駅の項で触れましたが、旧大津市内線が走っていた当時、県庁前のバス停待合室がちょっとした話題になっていました。ある県庁職員が私費で待合室を建てたのです。

S32.4.7Y 県庁前バス停待合室着工b

奇特な方です。頭が下がります。本当ならバス会社やバス協会、或いは行政が積極的に動かなければならない部分です。

S32.5.22S 県庁前に私費で待合所b

「石綿板」と書かれているのが気になりますが、残念ながらこの当時は一般にはほとんど石綿(アスベスト)の恐ろしさは知られていなかったようです。それどころかこの直後の1960年から1965 年の間に石綿製品の生産高は日本全体で約1.5 倍にも膨れ上がっており、正に企業の設備投資や自動車産業の発展など、高度経済成長を石綿が支えていたといっても過言ではありません。そしてそれが、多くの労働者の健康を蝕んだのもまた事実でしょう(森裕之「アスベスト災害と公共政策―戦前から高度成長期にかけて―」2008)。

2012(平成24)年4月6日付拙稿花見バス合戦~~世の中にたえて桜のなかりせば…で、蟯虫(ぎょうちゅう)退治のために幼稚園児に水銀軟膏を塗布していた、という話を書きましたが、昨日まで当たり前だったことが、科学の進歩で、ある日突然、とても危険なことだったと分かることが時々あります。

↓現在の石山駅方面乗り場

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新聞の写真に乗っている待合所と形が似ているような気もしますが、ガラスはありませんし、いくら何でも60年近く前の待合所がそのまま残っているとは思えないので、今の待合所は作り直されたのだろうと思います。そもそも、新聞記事からは、浜大津方面なのか石山駅方面なのかその両方なのかもよく分かりません。

↓つい最近まで古い路線図が残っていました。

IMG_7412.jpg

↓「滋賀会館前バス停」なんて書かれています。

IMG_1636.jpg

確かに、石山駅方面のバス停は、3枚目の写真を見て頂いても分かる通り、県庁前というより、「滋賀会館前」です。滋賀会館は1954(昭和29)年6月15日にオープンしましたから、旧大津市内線の開通の直前です。旧大津市内線があった当時は真新しい建物だったのでしょう。「西日本随一」と言われる規模で、映画館、結婚式場、県立図書館、名店街も入っていました。

滋賀会館は、現在も事務所は稼働しているのか、電気がついている部屋もありますが、一般に公開されていた部分は昨年惜しまれつつ閉館となりました。

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映画、特に古い映画の上映が行われたりして、人気がありました。きっと、旧大津市内線に乗ってここに来たひともいたことでしょう。

今待合所らしきものがあるのは石山駅方面で、浜大津方面は待合所はなく、ポールだけが道を挟んで県庁側にあります↓

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↓浜大津方面全景

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↓浜大津方面ポール付近から、石山駅方面を撮影

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次は、松ヶ枝町です。

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コメント
この記事へのコメント
ずっと「県庁前」と「滋賀会館前」と別のバス停だと思っていたのでした。

「県庁前」は噴水の目の前で こういう位置のバス停こそが「県庁前」なんだろうと思いますね。
2014/06/05(木) 22:38:23 | yume | #.64I4Bis[ 編集]
Re: タイトルなし
> ずっと「県庁前」と「滋賀会館前」と別のバス停だと思っていたのでした。

上下どちらか片方しか止まらない停留所はたまにありますが、なかなか上下でバス停名が違うというのはないでしょう(笑)。
県庁前についてのご見解は興味深いですね。京都なんて、「府庁前」と言ってもだいぶ奥まで入らないといけないですしね。
2014/06/07(土) 22:09:52 | 喜撰猿丸 | #HdXTMQ3I[ 編集]
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