青いバス停

There have been buses for more than 90 years in Otsu City. 「専攻?」である大津営業所管内の京阪バスの歴史を主体とした交通関係の記事をはじめ、雑記を記しております。

義仲寺は大津の停車場から出て、少し右に行つたところにあつた。義仲の戰死したのは、此の邊(あたり)よりはもつとずつと東に寄つたところであらうと思はれるが―――(中略)少くとも昔は此處等も田圃で、塚がさびしく夕日を帶びて横(よこたわ)つてゐただけであつたであらうが、段々人家も出來、町らしい形も出來て、今の寺らしいものも段々出來るやうになつたらうと思はれた。
今はこゝに、芭蕉の墓があるので、一層意味深いものとなつた。『旅に病んで夢は枯野をかけめぐる』と詠んだ彼と、深田に陥って死んだ不運な武將と、何の緣故もなしに、こゝに、かうして墓を並べてゐるといふことが不思議な心を旅客に起こさせずには置かなかつた。
田山花袋「義仲寺」『京阪一日の行樂』(P621)



義仲寺 ぎちゅうじ
所在地:(石山駅方面)大津市におの浜二丁目 (浜大津方面)大津市馬場一丁目
開設年月日:1967(昭和42)年頃?
付近:朝日山義仲寺 西武百貨店大津店 パルコ大津店 大津市立平野幼稚園
キロ程:大津署前から0.3キロ




いわずとしれた「西武百貨店前」です。
義仲寺は、源義仲の塚を守るためにできた草庵が始まりとされています。巴御前が作ったのではないか、とも言われています。義仲は多くの方がご存じの通り、木曽から上洛して平家討伐をした人物ですが、やがて味方であったはずの従兄弟の源頼朝に疎まれて、粟津で義経らに追い詰められて、自害せざるを得なくなりました。

松尾芭蕉がこの寺を好んでいたこと、ここに葬られていることもよく知られております。

小学校の頃、「義仲寺、義仲寺、というけど、どこにお寺なんてあるのだろう?」と不思議に思っていましたが、湖岸道路から1本南の旧東海道沿いにあります。

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恐らく旧東海道の路線が廃止されて湖岸道路に載せ替えられた時に、バス停名が継承されたので少々分かりにくい位置関係になったものと思われます。
何度か荒廃の危機があり、最近かつ最悪だったのが戦後だったそうです。崩れそうな状態になっていたのを1965(昭和40)年、篤志家が三井寺から買い取って、今の形に整備し直しました。
荒廃していてもランドマークではあったのか、整備前の1962(昭和37)年の地図でもすでにバス停名は「義仲寺」です。

1967(昭和42)年には国が史跡に指定しますが、源義仲、松尾芭蕉といった歴史の教科書で絶対に外せないような有名な人物の塚や重要な資料があっても、国のお墨付きや経済的な裏付けがないと、簡単に荒れ果ててしまうのだということは知っておかなければならないことだと思います。

なお、義仲寺そのものに関する詳細と、旧大津市内線における「義仲寺」バス停については今年4月14日付拙稿義仲寺【旧大津市内線17】をご覧下さい。

↓西武百貨店の前にある石山駅方面のバス停

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ここも、浜大津方面のポールとともに、少なくとも昭和60年頃から位置は変わっていないようです。

↓古びてはいるものの、もともと小洒落た西武らしい雰囲気を醸し出していたのでしょう。

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↓西武百貨店大津店

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階段状の店舗が特徴的です。単なるデザインではなく、恐らく日影規制その他の建築規制の問題があって、うまくデザインに見せるようにこういう形になっているのだろうと思います。

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1976(昭和51)年6月18日に滋賀県で初めての百貨店として開店しました。
京都があまりにも近いため、百貨店の進出がなかった滋賀県でしたが、西武グループの創業者・堤康次郎の出身地であることから、出店が決まったようです。パルコや大津プリンスホテルも事情は同様のようです。

このため、京阪バスよりも、遠縁にあたる近江鉄道バスの方が広告に熱心で、車体の屋根まで使って「お買い物は西武百貨店で」という広告を出し、「義仲寺」という正式名称より、西武を強調して、乗車口では「湖岸・西武百貨店前、大津駅から浜大津方面行です」※などとアナウンスしていました。
※西大津駅行きの場合、少なくとも石山駅では「西大津駅行」と言わず「浜大津方面行」とアナウンスしていた記憶がある。

モータリゼーションの進行や、京阪電車の増発、京都の方が魅力的な店が集中しているといったことから、バスの利用者が減って、本数も減って寂しい状態になりましたが、やはり今も、買い物客の一定の利用はあるようです。

こういう場所はもっと大事にしないといけないと思います。バス会社だけの問題ではありません。行政も然りです。

↓浜大津方面のバス停は、西武百貨店の真向いの公園前です。

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↓浜大津向きに撮影しています。

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↓ちょうど浜大津行きが来ました。

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↓旧大津市内線の方でUPし損なっていましたが、旧大津市内線の方の義仲寺は暫くの間「馬場北町」というバス停名だったようで、今も、近くに馬場北町の自治会館があります。

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次は、馬場一丁目です。
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