青いバス停

There have been buses for more than 90 years in Otsu City. 「専攻?」である大津営業所管内の京阪バスの歴史を主体とした交通関係の記事をはじめ、雑記を記しております。

「米かし、鹿飛びなどゝいふところが、この瀨多川にあるさうですが、それはこゝからまだ餘程(引用者注 =余程)下ですか?」
「いゝえ、そんなに遠くはありません。鹿飛の方は、もうすぐそこです」
「行くのに、かなりに嶮しいですか?」
「いゝえ、そんなことはありません。立派な路がつゞいてをります。水力電氣の工事で、一時は歩きにくくなつてゐましたけれども、此頃はもうすつかり元の通りになつたでせう」
(田山花袋『京阪一日の行樂』P611 博文社 1923)



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立木観音前 たちきかんのんまえ
所在地:(石山駅方面)大津市石山南郷町字中道
    (大石小学校・宇治方面)大津市石山南郷町字奥山
開設年月日:(京阪バス)不明
      (京阪宇治交通)1962(昭和37)年11月1日?
廃止年月日:(京阪宇治バス)2008(平成20)年11月1日
旧称:立木南口?
付近:立木観音(高野山安養寺) 鹿跳(ししとび)渓谷
キロ程:蛙岩から0.5キロ(石山駅から7.9キロ)


京滋地域を中心に、広く「立木観音」「立木さん」として親しまれている高野山安養寺の表参道である石段の下にあるバス停です。

琵琶湖のあるところは平らな盆地で、瀬田川が流れる先はやはり平らな大阪平野で、なぜその間に山が屹立するこのようなところがあるのか?よく考えるとおかしい地形です。これは「先行谷」といって、川の浸食のスピードの方が、土地が隆起するスピードより速いために生じる地形です。

田山花袋は「瀬田川」を「瀨多川」と書いていて、単に誤植かもしれませんが、これは「流れが速い瀬が多い川」という意味で語源的には合っているかもしれず、実際こう書く説もあるようです。

「鹿跳渓谷」と呼ぶことがありますが、「鹿跳」は、『與地志略』では狭いところは幅が約7mで鹿も飛び越える川幅だったためこの名があると記されているそうです(同地名辞典P360)。
しかし、南郷、大石の人間なら恐らく誰でも知っているであろう、弘法大師伝説では――
立木山に光を放つ霊木を見つけた弘法大師が、そこに近づきたくても瀬田川の激流に阻まれて渡ることができずに困っていた時に、どこからともなく白い雄鹿が現れ、その背に乗って川を渡ることができた。鹿は弘法大師を渡し終えるとたちまち観音菩薩に姿を変えて光を放ちながら虚空に消えた。これに感嘆した弘法大師が、霊木を立木のまま彫刻して安置した――
というのが立木観音の由来であり、鹿跳の地名の由来です(『大津の伝説』1987 P121-122)。



↓石山駅方面のポールは本当に石段の真下です。

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まだ昨年8月の豪雨被害の爪痕が残っています。振り返ると石段のバス停側の登り口は、4月頃に撮影した時点でまだこんな状態です↓
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↓ポールのアクリル板も、この時にできたものなのか分かりませんが、大きなひびが入っています。

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なお、この災害の直後の当バス停付近の様子については、昨年8月19日付拙稿日常と非常の間(あわい)で写真付きで詳しく書いておりますので、ご興味がおありの方はご覧ください。

石段は私のような怠け者なら、ぜひ上りたいとは到底思えない長々しいもので700段ほどあるそうです↓

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「南郷」の項で取り上げた山道から行く方がハイキング気分でまだ楽しいだろうと思いますが、それでも一昨年、地元を離れている友人に逆に誘われて行ったときは寄る年波勝てずにしんどかった、ということは前にも書いたかと思います。

↓本堂

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↓奥の院

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自販機がない代わり、休憩所でお茶が自由に飲めるのですが、行った時、暑いのに熱いお茶しかなくて、その方が後で涼しいことも、体に良いことも分かっているのですが、雪景色の中でアイスコーヒーを飲むのと同じように、飲むのにかなりの覚悟が要りました。

↓こちらは大石小学校方面。

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国土交通省近畿地方整備局琵琶湖河川事務所の公式サイト内「B-MAP」及び「B-BOX」の「昭和59年の瀬田川の様子 その3(資料番号A07132B00003)」では、立木観音の南行きのバス停と駐車場の様子、ブルドッグと思われるバスが大石方面に向かって走り去る様子が写っていますので、宜しければご覧ください。

↓大石方面のバス停から。まだ崩れた跡が生々しく、危険と隣り合わせです。

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ただ、転んでもただで起きるまいとしたのか、それまではなかったはずのはっきりとしたバスポケットが作られていました。

次は、(大石小学校・外畑方面)鹿跳橋(ししとびばし)/(快速宇治川ライン線)内畑口です。
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