青いバス停

There have been buses for more than 90 years in Otsu City. 「専攻?」である大津営業所管内の京阪バスの歴史を主体とした交通関係の記事をはじめ、雑記を記しております。
「膳所」や「瀬田」は行政上の町名として存在しますが、「石山」はありません。石山駅前が住居表示制を施行する時に「石山○丁目」とまとめられてしまってもおかしくなかったのに、「松原町」「粟津町」などの細かい町名が残ったのは不思議ですが、運がよかったともいえるかもしれません。

代わりに「石山」のつく現行行政地名は「石山寺」「石山寺辺町」「石山千町」「石山南郷町」「石山外畑町」「石山内畑町」の6つで、このうち独自の郵便番号があるのは「石山南郷町」以外の5つです。石山学区、南郷学区の町名は全てもともと「石山○○町」でした。昭和8年に旧滋賀郡石山町が大津市と合併する時に、「石山」を冠したようで、全国的にもよくある住所の変更の仕方です。

一方で、地図や資料によっては、「石山平津町」という町名も出てきます。これは一体どこなのでしょう?

『角川日本地名大辞典 25滋賀県』(1979)には、「平津」とは別に「石山平津町」の項があって、
「〔世帯〕5〔人口〕7▷市の南部。ほとんどが山地。(中略)滋賀大学グラウンド裏に「左 いし山」がある」(P753)
とあります。
滋賀大のグラウンド裏なら、石山平津町ではなくてこの当時でも平津だったはずで、場所を特定する情報とは言えません。

上記は「地誌編」の記述で、これとは別に「地名編」というのがあって、そちらの「石山平津町」の項では、「昭和51年一部が現行の平津1~2丁目・南郷1~6丁目の一部となる」とあります(P99)。

一方同辞典の「南郷」の項は、直前の町名として、
「石山千町・石山南郷町・石山赤尾町・石山平津町の各一部」
を挙げており(P765)、「平津」は、
「石山平津町の一部」
としています(P767)。

つまり、住居表示制を施行する時に、その必要がなくて山間部に残存している「石山千町」「石山南郷町」などとともに、「石山平津町」も残存している、ということなのでしょう。しかし、昭文社の都市地図など、掲載がない地図も多く、謎の地名です。

ヤフー地図で検索すると、以下のような範囲とされています↓



(お使いのパソコン、スマホの環境により正しく表示されないことがあります)

ところがこれを、「石山平津町488番地」とすると、以下のようになります↓


因みにこの場所は、石山霊園を管理する「光林寺」です。



IMG_4728.jpg

Yahoo!地図で石山平津町を検索すると、この488番地と603番地が特に選択できるようになっていますが、603番地は上の地図の赤く示された石山平津町の範囲にちゃんと存在する「井上長石鉱山」です。

なお、大津市の公式サイトの統計資料によると、平成26年9月現在、「石山平津町」には1世帯2人が住んでいることになっています。

※以前は488番地が選択できましたが、現在はできないようです。ただ、光林寺の住所を現行の平津二丁目でなく、石山平津町488番地としているサイトは今もあります。

1つ面白いことを発見しました。『滋賀縣史』第六巻(1927)の付録「藩領分布圖」には、今の桜峠付近に「平津トビ地」と書かれた箇所があるのです。著作権の問題がありそうなので、そのままは載せませんが、これが、現在もソースによっては記載が残っている「石山平津町」なのでしょう。

住宅地図も、版によってこの辺りを石山南郷町としていたり、石山平津町としていたり、一定しませんが、2012(平成24)年版のゼンリンの住宅地図では「石山平津町」とされていますので、今回はこれを参考に、現地に行きました。

↓湖南変電所の縁から、この「内畑加圧ポンプ場」にかけてが「石山千町」と「石山平津町」との境界線とされています。

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「内畑加圧ポンプ場」の名前の通り、もうこの辺りから「石山内畑町」としている地図もあり、南郷中学校はすぐ近所なので、私は中学生の頃から、「教室の窓から『内畑』が見える」と思っていました。

バイパスの側道を上っていくと、ほとんどの車はこのバイパスのガードをくぐります↓

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2003(平成15)年から2008(平成20)年まで、年始にここを4号経路が迂回運行して片循環していたことを覚えていらっしゃる方も多いかと思います。

山間部を別にして、普通に人間が歩ける範囲としては、この辺りが「石山平津町」の中心のようです。

↓左手に細い道が分かれていますが、これも結局は桜峠の向こう側につながっているようです。

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ゴミだらけ…どうしてこういうことをするのでしょう?

でも、辺りには凛とした初秋の冷気が漂い、ツクツクボウシがその気配に背中を押されて焦ったように鳴いています。

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この辺りはホオノキ(朴の木)が多くて、枯れた大きな葉を見て、昔、飛騨で食べた「朴葉味噌」を思い出しました。

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塩辛いんですが、キノコをたくさん載せて、おいしいんですよね。

実は、この先に知るひとぞ知る湧き水があり、訪れるひとが絶えません。私も10年以上前に友人と汲みに来たことがあります。「大津のかんきょう宝箱」にも、桜峠(石山平津町)の湧水として記載がありますが、ここでは所在地を「石山平津町」としていますね。ただ、同ページ上では「飲み水として適しているかわかりませんので、飲まないでください」と書かれています(笑)。

それでも、「取材」時も水をくむひとがいたので、いらっしゃらなくなってから撮影したのですが、飲用として適しているか分からないということでなのか、先に紹介したページの写真や、私の記憶とも違って、パイプが手の届かないところで終わっています↓

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水を汲みに来るひとは、ここに差し込めるような「延長パイプ」みたいなものを持ってきているのでしょう。

滾々(こんこん)と水が湧くとか、清冽(せいれつ)そうなイメージはあまりなくて、何しろコンクリートの擁壁で治山された斜面から、塩ビのパイプから出てくるので、初めて見るひとは、「生活排水か?」と思ってしまうかもしれません。

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長くなりましたので、ここで一旦区切ります。
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コメント
この記事へのコメント
お久しぶりです
おひさしぶりです。すぐ近所の話で、光林寺の前は通勤時にとおり、霊園はお彼岸、月命日にはお参りしている そんな場所なのに、ん? どこ。。 なんて感じで食い入るように写真見てしまいました。

ただ、このあたりを配達地域としている某スーパーが、「平津町の一部」は配達しないと記されていた事を思い出してしまいました。 平津ってどこでも配達できるはずでしょ?と思っていましたが、謎めいた場所があったんですね。
2014/10/03(金) 21:19:03 | yume | #/eG2YYas[ 編集]
Re: お久しぶりです
yume様、お世話になります。

> ん? どこ。。 なんて感じで食い入るように写真見てしまいました。

それはよくありますね。
見慣れた景色でも、切り取り方やアングルによって全然違う場所に見えます。


> ただ、このあたりを配達地域としている某スーパーが、「平津町の一部」は配達しないと記されていた事を思い出してしまいました。 平津ってどこでも配達できるはずでしょ?と思っていましたが、謎めいた場所があったんですね。

「平津町」という書き方が何ともあいまいですね。本来、「平津」ですから。



2014/10/04(土) 00:34:54 | 喜撰猿丸 | #HdXTMQ3I[ 編集]
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