青いバス停

There have been buses for more than 90 years in Otsu City. 「専攻?」である大津営業所管内の京阪バスの歴史を主体とした交通関係の記事をはじめ、雑記を記しております。
白鬚神社前の続きです。

↓こちらは紫式部の歌碑

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三尾の海に/網引く民のひまもなく/立居につけて/都恋しも

白鬚神社そのものを訪れたわけではないようですが、父・藤原為時に従って、越前に向かう琵琶湖の船の中で都を懐かしんで詠んだ、中宮彰子に仕えるよりずっと以前の若い日の歌を、琵琶湖を望むこの神社に高島市教委が建立したようです。

三尾の海というのは、今の安曇川沖一帯の琵琶湖のことです。漁師たちが、忙しく立ったり坐ったりして網を引く様子を見て、都が恋しくなった、と言っています。文末の「も」は詠嘆の終助詞と思われます。

↓こちらはぐっと時代が下がって松尾芭蕉です。
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四方より花吹入て鳰(にお)の湖

どうも膳所で詠んだ句のようです。鳰というのは、西武百貨店大津店付近の「におの浜」といった現在の地名にも生き残っていることばですが、鳥のカイツブリのことです。解釈がよく分かりませんが、恐らく琵琶湖ではどこに行ってもカイツブリが四方八方から飛んでくるので、それが花が湖に吹き込んでくるかのようだ、というような意味合いかと推測しております。近世文学や俳諧がご専門の方、間違っていましたらご教示願います。

↓更に時代が下がって、与謝野鉄幹・晶子夫妻です。

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しらひげの 神の御前に わくいずみ これをむすべば 人の清まる

鉄幹は本名の寛になっていますね。上の句を寛が、それに続く下の句を晶子が詠んでいるそうです。夫婦で1つの歌を完成させるなんて、何と仲睦まじい!うらやましいです。上の句は極端な話、ある程度和歌の素養があれば自由に好きなように何とでも詠めますが、下の句は、それを上手に受けなければならず、下手くそだと上下でちぐはぐになってしまいます。

「むすべば」は「結べば」ではありません。「掬べば」つまり、「掬(すく)う」という意味です。

「清まる」の[る]を、一瞬、完了の助動詞[り]の連体形かと思いましたが、どこにも係助詞がないのに、なぜ連体形で止めて、こんな言いさしをするのだろう?いや、それより[り]に続くなら、「清る」になるはずだと疑問に思って、古語辞典も見ていろいろ考えたのですが、どうも下二段活用の他動詞「清む」ではなく、ラ行四段活用の「清まる」という自動詞なのだと考えないとおかしいことが分かりました。他動詞だと、何か清めるということになるのですが、ここでは参拝者自身清らかになる、という自動詞ということですっきりすると思います。

従って、

白鬚の神様の前に湧く泉の水を手で掬って飲むと、人々が迷いや心の乱れなく、清らかになる

くらいの解釈でいいのでしょうか。簡潔なあっさりした歌ですが、それだけにその無駄のない清らかさが強調され、この場所で鳥居を見て、外の空気を感じながらだと、一層の感慨があると思います。

↓こちらには鳥居の移動記録が書かれています。もともと、湖中の大鳥居の伝説があったことを踏まえ、1937(昭和12)年、大阪道修町(どしょうまち)の薬問屋・小西久兵衛が建立しましたが、1981(昭和56)年の琵琶湖総合開発に伴って、それまでより15m沖に移動させたということです。

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「江若鉄道 白鬚駅」などをキーワードにインターネットで検索すると、江若鉄道があった当時の白鬚神社付近の写真が多数見られ、美しさに息をのみますが、今の鳥居は、それらの写真に写っている鳥居よりも沖にあるということになります。

↓この少し北で1車線になることもあり、道路は渋滞しがちです。江若鉄道の跡は、国道の拡幅用地に使われたそうで、それでも狭く見えます。

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こんな風光明媚な場所ですが、今年2月11日、一家4人を乗せた車がトラックと衝突、運転していた父を除く、母子3人が亡くなるという大変悲しい恐ろしい事故が起きたことは記憶に新しいです。確かに、北にあるカーブの手前から1車線になるという構造は危ないかもしれません↓

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うまく合流できなかったり、それまでスムーズに流れていたのに、幅員が狭くなることで急に渋滞し始めて、慌てて減速せざるを得なくなったり、私も自分で運転してみて、結構神経を使うなあと思いました。

今回の事故とは直接関係ありませんが、そうでなくても、湖中の大鳥居を見物するために、観光客が高速で通過する車の間隙を縫うようにして、信号のない横断歩道をやっとの思いで渡る光景は珍しくなく、危険がいっぱいです。

この付近から、北小松辺りまでは、いわゆる「小松拡幅」と呼ばれる拡幅工事が予定されていますが、もともと山が湖に迫る狭隘な地形で、土地も少なく、滋賀国道事務所や、国土交通省近畿地方整備局の公式ページを見ても、どうやって工事するのか、はっきりイメージが湧いてきません。

拡幅で走りやすくなることは、事故防止にも有効ですが、どんなに走りやすい道でも、ドライバーの心掛けが一番大事です。

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北小松駅行きのバスの車窓から取った1枚↓

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窓が少しブルーがかっているため、実際以上に青っぽく見えますが、こんな景色を見ながら、京阪バスの京都今津線も走っていたのでしょうか。

次は、鵜川です。
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