青いバス停

There have been buses for more than 90 years in Otsu City. 「専攻?」である大津営業所管内の京阪バスの歴史を主体とした交通関係の記事をはじめ、雑記を記しております。

上着を脱ぐと、コートハンガーを手渡してくれる。「安物ですから」と辞退すると「安物はすぐにしわになりますよ」。人懐こそうな目が笑っている。ユーモア感覚あふれる毒舌家だった。

(2011(平成23)年6月11日付朝日新聞夕刊)



いいわ!こういうの大好きですw 私もこんなことばっかり言っています。
職場でこの新聞記事見せながらその話をしたら、お前はもっと陰険じゃないか、と笑われ、心外でしたが(-_-メ)

故・舟越保武氏とともに、現代の日本を代表する彫刻家・佐藤忠良(さとうちゅうりょう)氏が3月30日に98歳で亡くなったことを知ったのは、恥ずかしながら3カ月近く経ってから掲載されたこの「惜別」という記事ででした。新聞は毎朝夕チェックしているのに、何ということか……。多分、震災関係の記事がまだまだ紙面を埋め尽くしていた時なので、見落としてしまったのでしょう。

学生時代に一般教養で取った美術関係の科目で、絵に関する話を期待していたのに、たまたまその年の担当の先生が、彫刻が専門だったため、彫刻の話が中心になってしまい、そこで名前を知ったのでした。講義を聴いた最初は、あちゃー…と思ったのですが、それはそれで思っていたより面白くて、その年の夏休みに、すぐに静岡県立美術館のロダン(François-Auguste-René Rodin 1840-1917 「考える人」などで有名なフランスの彫刻家)を見に行ったのを覚えています。佐藤忠良氏の名前を知ったのもその講義でした。

一般には、絵本の挿絵でよく知られていますね。

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特に、一番上の「おおきなかぶ」はご覧になった方も多いと思います。いま日本で出回っている「おおきなかぶ」の絵本といったら、圧倒的に彼の絵が多いのではと思います。

「木」の質感の捉え方も、彫刻家らしい独特な立体感に見えます。

ちょうど、守山の佐川美術館で、佐藤忠良追悼展「-ブロンズの詩-」が開かれていたので、行ってきました。

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車で行くことも考えたのですが、別件もあったので…

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琵琶湖大橋を渡る江若交通。「佐川美術館」という行き先は、守山駅側からもありますが、そちらは近江鉄道バスで、純粋に共同運行をしているのは、堅田駅-守山駅を通すバスだけです。

因みに、最近時折コメントを寄せて下さるなかっちょ様のピンぼけブログ館の、2005(平成17)年10月1日付の江若のボンネットバスin1979という記事に、1979(昭和54)年当時の堅田駅前を今まさに発車しようとするボンネットバスの写真が掲載されています。また、バス停には京阪バスの文字も。京都今津線は、湖西線の開通時に廃止されているので、大津比叡山線のものと思われます。この当時、湖西線が開通からまだ5年目だということが、ものすごい不思議な感じがします。

文化施設は、休館日と開館日、大きな催しが開催される時とそうでもない時で、波動が大きいという難点があり、特に、広い土地を求めて郊外にできたような美術館、図書館などは、アクセスが問題となります。堅田駅始発の佐川美術館行きも、あまり本数が多いとは言えません。

佐川美術館に着くと、敷地内で路線バスがターンできるようになっていて、今は大きな展覧会が開かれているせいか、かなりの客が待っていて、座席はほぼ満席の状態で折り返して行きました。

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おぉ…!

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建物はごく浅い人工池に囲まれています。
「池の中に入らないで下さい」なんていう無粋な看板がないので、入った不届き者はいないのでしょうけど、私は暑くて、ジャブジャブ歩きたかったです。

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池の中の「蝦夷鹿」。佐藤氏は、幼い時に母の郷里・夕張に移り住んでいるので、北海道は故郷のような感覚かもしれません。

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玄関で、まるで「ようこそ!」と出迎えるように立っているのも、佐藤氏の作品。

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「萌」という題名です。1997(平成9)年の作品ですが、この時点で既に佐藤氏が84歳になっているということに驚かされます。
最初「もえ」かと思いましたが、後で調べたら「きざし」だそうです。最近、「萌」の字がはやっていて京都市交通局のオリジナルキャラクターも「太秦萌」(ムッチャかわいいですね♪)ですが、「萌(きざ)す」という読み方があることをすっかり失念しておりました。

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↓他にもいろいろなコーナーがあるのですが、今回は「ブロンズの詩」のコーナーを。
同館所蔵の作品は、フラッシュ、三脚なしなら撮影可能です。

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↓俗ないい方ですが、ムッチャかっこいい!被写体と、照明がよいので、私程度の道具と腕でもそこそこ写ります。明るい静謐(せいひつ)に包まれて、こちらも穏やかな気持ちになります。正面は代表作の1つ「帽子・立像」

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優れた彫刻には、必ず優れたデッサンがあります↓ 彫刻と並んで、デッサンも多数展示されています。

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館内で流れていた佐藤氏の半生や作品を紹介するVTRで、最初は画家を志していたが、ロダンの作品を知って、「絵を離れて」彫刻を志した、と述べられていました。しかし、「絵を離れて」はおかしいと思いました。恐らく、絵が嫌いな彫刻家や、絵をバカにする彫刻家は絶対にいません。後で見た佐藤氏のアトリエの写真には、画集もたくさん写っていて、常に勉強されていたことが窺えましたし、絵の道具も一通り揃っています。

彫刻家にとっての絵画は、物理学者にとっての数学、公認会計士にとっての簿記。
絵は基礎なので、描けないと話にならないのです。

館内に掲示されていた、宮城県美術館・三上満良氏の追悼文にもありましたが、「おおきなかぶ」などの絵本は単なる彫刻家の余技でない、彫刻と両輪をなす創作ではなかろうかと私は思います。

↓代表作「帽子・夏」

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この作品を後ろから撮った写真はあまりないと思うのですが、回り込めるので回り込んでみました↓
一寸も気を抜いていないことがよく分かります。

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↓いい作品は、影までいい!

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正面奥に見える作品は、講義でスライドを見せられた「群馬の人」に似ているような…。
「シベリア抑留から帰国後最初の作品で、『穢(きた)なづくり』とも言われたが、美男美女でない、普通の日本人の顔を、日本人が作った最初の作品として評価された」
と教わったものです。

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近づくと…あら……?このお顔は…。

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王貞治氏でした(汗 誰だ!「群馬の人」に似ているとか言ったの? し、失礼しましたm(__)m

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会場の出口付近には「裸のリン」

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外にある「萌」の大らかさと違って、静かな印象です。自らを生み出した作者の冥福を祈っているかのように見えました。

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↓本来なら10,300円する作品集が、何と1,500円の超特価!どデカいのに、思わず買ってしまいました(汗

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帰りは、堅田を回るか、守山を回るか迷いましたが、違う道の方がよかろうと思って、先に出発する近江バスで守山側に回ることにしました。

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夏の湖東平野を眺めながら、まどろんで帰りました。

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