青いバス停

There have been buses for more than 90 years in Otsu City. 「専攻?」である大津営業所管内の京阪バスの歴史を主体とした交通関係の記事をはじめ、雑記を記しております。
最近、京都市営地下鉄に、「西へ東へちょっぴり納涼」と書かれた中吊り広告が出ていて、西は地下鉄+嵐電で嵐山、東は地下鉄+京津線でミシガンクルーズをアピールしていますが、それを見てふと、「納涼バス」の記事を思い出しました。家で調べたら、1963(昭和38)年7月20日付朝日新聞「近畿特集」で、比叡山を登っているらしい、京阪バスの写真付でした。
六甲山、生駒、高野山など、近畿地方の涼しそうな観光地に向かう各社のバスを特集しており、京阪バスは、
「8月末まで連日運転。午後5時50分、京都京阪三条南バスセンター発、比叡山ドライブウェーを巡り、午後10時前京阪三条駅着」
とのこと。運賃は大人400円、子ども375円なので、この当時としては結構な金額だと思いますが、申し込みが必要な観光バスの扱いのようです。大人と子どもの25円の違いというのが何なのか不思議です。因みに、この時期のパンフレットによると、一般路線の場合、三条京阪―比叡山頂片道が140円です。

大津比叡山線も午後5時半に発車して、1時間後に到着、山頂で30分休憩して午後8時ころに大津駅に戻ってくるということですが、これは一般定期路線で運賃は135円だそうです。この当時は5円単位の運賃が結構普通のようです。

この納涼バスが走っていたのとほとんど変わらない、昭和40年に刊行された、三島由紀夫の『音楽』を最近読んだんですが、主人公の精神分析医が、ある晩の自分の日比谷の診療室について、
「今夜はとりわけ蒸暑い宵で、部屋は冷房を入れているくらいだったのである」(新潮文庫 P155)
なんて語っています。思わず奥付を見直しましたが、この当時冷房なんて非常に珍しかっただろうと思います。いかにこの仕事が最先端であったかということを表す小道具でもあるのかな、と思ったりします。
しかし、日本人はもともと、こうして実際の温度を下げるよりは、「涼しく感じられるにはどうしたらいいのか」に知恵を絞るのがうまくて、マイカーもあまりなかったから、こうした「納涼バス」が、高度経済成長期の庶民のちょっとした贅沢として好評だったのではないかな、と思ったりします。多分バスそのものにも冷房なんてなかったのでしょうし、夜風を感じながらバスに乗ること自体、優雅で楽しい夕涼みなのかもしれませんね。

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コメント
この記事へのコメント
ああ。。これなんだぁ。。と。。
 父は写真が趣味だったので多くの写真が残っていてそれを手がかりに記憶を辿る事が多い私です。
 両親と伯母夫婦と夜の比叡山にバスで行った事がありました。
比叡山頂は意外に寒く、大柄な叔父の半袖上着をはおらせてもらっている写真があります。
 そっかあ。。きっとこのバスに乗ったんだなぁと。。
 昨日の記事から辿らせてもらって、コメントさせて頂いています。

 父の写真から記憶を辿ってきましたが、今はこちらから記憶がより鮮明になるので楽しみです。
2011/08/11(木) 17:03:10 | yume | #/eG2YYas[ 編集]
Re: ああ。。これなんだぁ。。と。。
>  父は写真が趣味だったので多くの写真が残っていてそれを手がかりに記憶を辿る事が多い私です。
>  両親と伯母夫婦と夜の比叡山にバスで行った事がありました。
> 比叡山頂は意外に寒く、大柄な叔父の半袖上着をはおらせてもらっている写真があります。

実際乗った方のコメントが頂けるとは思っていませんでした。ありがとうございます。

今は、15日までの予定で、延暦寺夜間特別拝観に合わせて、京都駅-三条京阪-延暦寺バスセンター間に夜間臨時バスを運行しているようです。http://www.keihanbus.jp/
今日、仕事で車を運転していて、蹴上付近で「直通 延暦寺バスセンター」という、普段は見られない表示を出すバスとすれ違いましたので、それが多分そうだと思います。普段は北白川から上るはずですが、それより、三条通→西大津BP→田ノ谷峠の順で走る方が早いからなのでしょうか。それとも、比叡平行きも道路事情で稀に迂回することがあるので特別なのか、それは分かりませんでした。

>  父の写真から記憶を辿ってきましたが、今はこちらから記憶がより鮮明になるので楽しみです。

そう言って頂けると嬉しいです。

なお、50年を経過していない新聞記事は著作権の問題が発生する可能性があり、原則としてスキャンしたままの記事画像は出しておりませんので、もっと追究したいとか、この日の新聞が見たいといったことがおありなら、図書館でマイクロフィルムや縮刷版をご覧になるとなお一層面白いかもしれません。

余談ですが、広告なんかも、「こんな時代からこの商品はもうほぼ今の形なんだ」とか、「滋賀銀の広告に起用されているこの美少女が、奈○悦子!?」なんていう発見をしたりして楽しいです。
2011/08/11(木) 22:07:24 | 喜撰猿丸 | #HdXTMQ3I[ 編集]
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