青いバス停

There have been buses for more than 90 years in Otsu City. 「専攻?」である大津営業所管内の京阪バスの歴史を主体とした交通関係の記事をはじめ、雑記を記しております。

Ⅶ 次の(a)から(f)について各和文の意味を表すように、1から7を並びかえて英文を作るとき、3番目と5番目にくる語の番号を解答欄に記入しなさい。

(略)

(d)虹は、大気中の水滴内を光が屈折することで生じる気象学現象である。
A rainbow (1.phenomenon 2.a 3.is 4.caused 5.meteorological 6.by 7.light) refracting inside water droplets in the atmosphere.

(略)

第97回工業英語能力検定3級(2013(平成25)年11月)より



今日はいきなり何の話だ、と思われるかと思いますが、交通関係の話題はないので、興味のない方はまた別の記事をお待ち下さい。

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因みに正解は、以下の通りです。
[虹の根元には金の皿がある]の続きを読む
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岡野が駒沢善次郎にはじめて会ったのは、昭和二十八年九月一日、京都嵐山のある割烹旅館の朝食の席である。岡野はたまたま骨休めにここに泊まっており、前夜来紡績業界の大立者(おおだてもの)の懇親会が催おされていることは知っていたが、翌朝になって、廊下で旧知の桜紡績社長村川にたまたま出会い、無理に誘われて、朝食の席に列なることになった。
(三島由紀夫「第一章 駒沢善次郎の風雅」『絹と明察』P7 1964 新潮社)



(今回は交通関係の話題はありませんので、興味のない方はスルーして下さい)

三島由紀夫というと、文壇で不動の地位を築いた『仮面の告白』や『潮騒』『金閣寺』辺りが代表作で、さすがの私もそれらは読んだのですが、堅田を歩いた時に、この作品に関わる文学碑を見て、初めてこの作品を知りました。
本作は彼の作品としてはどちらかというとマイナーに見える作品ですが、数少ない滋賀県を主たる舞台とする小説で、石山寺や唐崎など、大津市内についても詳しく描写されているため、拙ブログでもしばしば引用しておりました。

絹と明察 (新潮文庫)絹と明察 (新潮文庫)
(1987/09)
三島 由紀夫

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彼についてはその思想や1970(昭和45)年11月25日のあの驚くべき死に方とが必要以上にクローズアップされている感がありますが、私はもっと作品1つ1つを丁寧に読む必要があるのではなかろうかと思います。

「近江絹糸争議事件」という1954(昭和29)年の彦根で実際に起きた労働争議事件を下敷きにしながらも、独自の見解でこの事件を分析し、1つの小説に仕立て上げています。

ちょうど60年前の今日、語り手である「岡野」が、京都で駒沢社長に出会うところから物語は始まります。

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久しぶりに氷点編です。

夏に札幌に行った時、やっぱり旧北海道庁を見に行きました。涼しいです。半袖で暑くもなく寒くもなく比叡山並み、か、下手するとそれでも肌寒い時があるくらい。

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↓道庁前で見た馬車。

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↓荘重な会議室

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実際にここが1968(昭和43)年まで現役だったというのがすごい。現在は北海道の歴史などを展示する博物館になっています。
印象的だったのは、写真には撮り損なってしまいましたが、「真岡(まおか)郵便電信局事件」に関する展示でした。

↓真岡は今、ホルムスクと呼ばれています。日本とロシアとの間で「帰属未定」ということになっている、南半分の側にあります。



[知らず知らずのうちに出会っていた『氷点』 氷点Ⅳ]の続きを読む
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風は全くない。東の空に入道雲が、高く日に輝やいて、つくりつけたように動かない。ストローブ松の林の影が、くっきりと地に濃く短かかった。その影が生あるもののように、くろぐろと不気味に息づいて見える。

三浦綾子『氷点』(上)1964 冒頭



氷点 上 (朝日文庫 み 1-1)氷点 上 (朝日文庫 み 1-1)
(1978/05)
三浦 綾子

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これから数回にわたり、断続的に『氷点』編をお送りします。文学にご興味のない方はスルーして頂いても結構ですが、作品に登場する交通関係、地理関係の話も織り込めたらと思います。

『氷点』は、8月28日付拙稿塩狩峠でも触れましたように、作家・三浦綾子のデビュー作としてあまりにも有名ですが、旭川を主な舞台にした数少ない小説の1つでもあります。

出だしのあらすじだけ簡単に…。

小説は、主人公・夏枝が、夫・辻口啓造が院長を務める病院の眼科医・村井に、夫の留守中の自宅でよろめきそうになるという生々しい場面から始まる。その間に、幼い長女・ルリ子は佐石土雄という全く見知らぬ男に誘拐され、自宅近くの「外国樹種見本林」の奥、美瑛川のほとりで殺される。啓造はそれが夏枝のせいだと思われてどうしても許せず、夏枝が「ルリ子の代わりになる女の子が欲しい」というのをいいことに、親友の高木が携わっている乳児院にいるという佐石の娘を引き取って、夏枝にはそれと知らせずに育てさせる、という仕打ちを思いついた。その女の子は「陽子」と名付けられ、何も知らない夏枝に大事に育てられるが……

という展開です。

今なら、「個人情報保護法」等で、絶対にあり得ないことですし、あったらそちらが大問題で、小説の展開も全く違うものになるでしょうけれど、この小説の出だしは終戦直後が舞台なので、「事実は小説より奇なり」で、こんなこともあり得たのかもしれません。

一見すると昼ドラのように見えるストーリー展開ですし、実際文壇で「通俗的」と低い評価をするひともいたそうですが、それは読み方が表面的なのだと思います。独特の緊張感と、人間というものの心の奥深さに鋭く迫る、もはや古典といってよい名作ですので、ぜひ原作をお読み下さい。

↓改築中の旭川駅に降り立ったのは8月のある日でした。三浦綾子が、懸賞小説の授賞式に旅立った約45年前とは、ガラッと変わってしまったことでしょうけれど、木のぬくもりに溢れる美しい駅です。
12:00の列車の案内がまだ表示されている時点で、何と13:41の普通・岩見沢行きの案内が…。そう、函館本線の旭川付近は、普通列車が極端に少ない、青春18きっぷユーザー泣かせの区間です。

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[風は全くない-氷点Ⅰ]の続きを読む

 部屋に角とか隅とかいうものがない、そこには何やら彼やら雑然と物が置かれ積まれ、植木鉢鳥かご、雑誌新聞、おもちゃ着るもの食べるもの、電話機ステレオ大工道具、部屋はだらりと円になっている。柱を中心に、壁と襖の二つの直線が追いこんで構成する、きびしい隅という場所がない。それに私の時の父の部屋には、床に一輪の花、北に書物机と机上に最小限度の文具、座ぶとんと煙草盆、それきりの寂しい装置です。うかとは踏み込めないような雰囲気がただよっています。
 この舞台あればこそ、喧嘩した子らの騒々しさもぴたりと静まって、幼いながらに無言沈黙の威力のようなものを感じとるし、孤独と退屈の別世界もあるのだと知り、神妙な気持も味わうのです。親も小言などいわず、子もただ坐るだけ――

(幸田文「ございません」『季節のかたみ』 講談社 P105-106 1996 初出は1978)



季節のかたみ (講談社文庫)季節のかたみ (講談社文庫)
(1996/06/13)
幸田 文

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